回顧録

真っ暗

「よし」 俺はネクタイを締め、一息つく。 六月の終わり頃、俺は何個か受けた内の一社から連絡が来た。どうやら「最終面接をやるから来い」とのこと。 面接場所に着くと、俺の他にもう一人相澤君(だったはず)が座っていて、「緊張しますね~」とか言ってき…

失格

「お先に失礼します」 階段を降り正門を抜けると、ドッと疲れが押し寄せてきた。 「はぁ....」大した仕事もしていないのに出てくるため息。仕事自体は慣れたし出来る事も多くなってきたけど、人間と話したくなさすぎる。向かいのデスクに人がいる事も嫌だし…

労働

俺が高校を卒業するくらいの時に、初めてアルバイトを始めた。 駅前にあるチェーン店の居酒屋で、時給は1000円とかで22時以降は1200とかそんな感じだった気がする。バイトを始めた理由としては、当時パソコンでプレイするゲーム所謂『ネトゲ』にハマっていて…

飲み会

「今日は18時から歓迎会あります」という課長の声と共に、ブワッと全身に緊張感が走った。俺は椅子の背もたれに全体重を預け、深呼吸をした。 俺は人生で飲み会というものを2回しか経験したことがない。成人式の時、それとネットの気の合うゲーム仲間とした2…